遺骨の悩みと疑問

もうすぐお彼岸。お墓のない人はどうすればいい?

お彼岸について

「お彼岸」というのは「あの世」を意味する仏教用語のことで「悟りの境地」と呼ばれています。私たちが現在暮らしている「この世」は「此岸(しがん)」と呼ばれており、煩悩や迷い、苦悩のあふれるところだと言われています。お彼岸は春と秋の2回で、それぞれ「春彼岸」「秋彼岸」と呼ばれ、春彼岸は春分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間、秋彼岸は9月の秋分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間になります。令和2年の秋分の日は9月22日(火)なので、秋のお彼岸は9月19日(土)から9月25日(金)までの7日間ということになります

供養の仕方によって異なるお彼岸の過ごし方

お墓に埋葬している方

お墓参り

墓石を洗い、お墓の周りに生えている雑草を抜いたりしてお墓まわりを綺麗にします。それからお花や線香などをお供えし、お参りをするといいでしょう

お墓参りはいつがいいのか?

お彼岸と呼ばれる7日間のうちいつお墓参りをしていいのか迷うかもしれませんが、お彼岸の期間であればいつでも良いという考え方が一般的なようです。都合の良い日を選んでお墓参りをすると良いでしょう

お墓参りしないとダメなの?

亡くなったご先祖様は、迷いのない「彼岸」へと渡ってしまうと言われていますが、時々「この世」の「此岸」に姿を現すと考えられており、太陽が真東から上り真西へと沈む春分の日と秋分の日は、「彼岸」と「此岸」とが通じやすくなると言われています。この時期に先祖供養をすることでご先祖の冥福を祈るということにつながるのでしょう。「お彼岸」は、「彼此岸(ご先祖と私たち)とが交流する行事」ともいえるかもしれません。

お墓をもっていないけど・・・

お墓は必要なの?お墓を持たないとどうなる?

お墓がなかったら遺骨はどうなるのかしら? 供養の仕方はいろいろあるんですよ。少子化、核家族化になっているため、昔ながらの『お墓まいり』というスタイルから形を変えているのが現状です お墓のないときの遺骨 ...

お骨が自宅にある方

亡くなって日にちが経っていない方や納骨先の決まっていない方、自宅に遺骨を置いておきたい方など様々な事情によってお骨がご自宅にある方がいるかと思います。このような方は家でお参りすることになります。お骨を安置している場所を掃除したり、供花やお供え(果物・菓子、精進料理)をすると供養になるでしょう

納骨堂に安置している方

納骨堂でのお参りは「お彼岸」や「お盆」は混雑しがちなので、事前に管理事務所に問い合わせて、混雑しそうな時間をさけたり、日にちをずらしたりすることをおすすめします

納骨堂ってどういうもの?

納骨堂はお墓の一種 納骨堂とは、遺骨を納骨するための建物のことを言います。 墓埋法では墓地以外への遺骨の埋葬(土の中に埋めること)を禁じているため、お墓は墓地しか建てられません。 納骨堂は土の中に埋め ...

共同墓地に安置している場合

最近流行りの共同墓地などでは個々のお墓がないためお墓の掃除などの必要はありません。掃除などに関しては墓地側がしてくれるので「お参り」するだけでいいかと思われます

合葬(がっそう)という選択

個別のお墓に入っても、いつかは合葬される 合葬(がっそう)とは他の人と一緒に埋葬することを言います。合祀(ごうし)も、他の人と『合わせて祀る』ことで同じ意味になります。 どちらも骨壺から遺骨を取り出し ...

お骨がない場合

散骨や海洋葬、宇宙葬をして遺骨のない方は「供養はどうすれば?」と思うかもしれませんが、亡くなった方を偲ぶことで供養につながるかと思われます

お参り以外にお彼岸にできること

お彼岸に「先祖供養」することに加えて「六波羅蜜」の実践ということも言われています

「六波羅蜜」って知っていますか?

「波羅蜜」は般若心経に出てくる「波羅蜜多(はらみった、はらみた)」と同じ意味をもっており、もともとサンスクリット語の「パーラミター」が語源で、日本では「至彼岸」と訳されています。大乗仏教における悟りの境地、すなわち彼岸へと至ることを表し、「六波羅蜜」というのは、彼岸に至るための6つの修行と呼ばれているようです。

6つの「波羅蜜」

・布施(ふせ)波羅蜜:見返りを求めず、他人のために惜しみなく善行を施すこと
・持戒(じかい)波羅蜜:戒律を守り、身を慎み、他人に迷惑をかけないこと
・忍辱(にんにく)波羅蜜:身に起こる災いを受け容れ、耐えしのぶこと
・精進(しょうじん)波羅蜜:誠心誠意努力を続けること
・禅定(ぜんじょう)波羅蜜:常に静かな心を持ち、動揺しないこと
・智慧(ちえ)波羅蜜:怒りや愚痴、貪りに捉われず、物事の真理を正しく見極めること

このように普段なかなか出来ない「六波羅蜜」ですが、お彼岸にご先祖様に感謝を捧げるだけでなく、この「六波羅蜜」を実践すべき期間でもあるといわれています



-遺骨の悩みと疑問

© 2024 お墓がない!遺骨どうする?